もう16年程前の事、ギターを始めてストリートで歌っていた時だった。
匠なギターとパンチの聞いた歌声で歌うリュウジに出会った。
ギターの腕はもちろん嘘のない説得力のある歌を歌っていた。
聞けば15才の時にギター持って家出をして以来全国を放浪していて、決して歌が上手いわけではなくリュウジは匠なギターと嘘のない歌を武器として磨いて、その完成度に「いままで苦労したんだろうな」ってリュウジが語らなくとも、そのパフォーマンスから伝わってきて心に衝撃を受けました。
「このままではいけない気がする。」
それから間もなく私も一人で旅にでました。
このままだと潰れる
旅に出た時ギター始めて6ヶ月程だったと思います。若さがあってこそ挑戦できたんでしょう。
財布に1000円だけ入れ、スケッチブックに行き先を書いてヒッチハイクを始めました。
中途半端に歌っていては、聞き手には歌のウソがばれてしまいます。
自分なりに嘘なく連日力の限り1日30曲程歌っていました。
アンプはありません。生声、生ギターです。
3日目には、喉は腫れ上がり聞いたことがないような「ハスキーボイス」になってしまい、このままだと喉が潰れてしまうのじゃないかと思うほどでした。
しかし、財布にお金はありません。
生きていくためには、歌うしかないのです。きっとリュウジもいろいろ乗り越えて来たんでしょう。
その夜から自分なりに喉に負担がかからない歌い方を必死で体に言い聞かせその後、徐々に喉の腫れも引いていき、毎日30曲歌っても大丈夫な体になりました。
人間の体は、本当にたいしたものです。
その後旅は順調に進み、何回かに分けて20~30府県位回りました。
ちなみにその時のハスキーボイス、世界一かもしれないくらい素晴らしい声でした。もう出せないでしょうね。笑
意識して挑めば
あれからかなり年月たちましたが、リュウジとはその後音信不通となりました。
また、音楽を再開したのでまた引き合わせてくれるかもしれませんね。
彼から学んだ事は、今でも心に残っています。
今、頭の中にある自分の理想の声に少しずつ近づいています。
意識して挑めばきっと出来るはずです。
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